貴方の彼女になれますか
[せんぱーい!]
〈あ!佐々木くん!今日も元気だね!〉
[先輩に会えたから元気になりました!]
〈はは!会えなかったら元気じゃなかったの?(笑)〉
朝、駅から学校までの道で彼女を見かければ大きく手を振った。
元気だね、って笑って欲しくて、少しでも彼女の記憶に残りたくて。
サークル長って、男の人のイメージだったけど、信頼も厚くて仕事も早いからその先輩がサークル長だった。
誰にでも愛されて、優しくて、ダメなところが見つからなかった。
同じ1年の中でも、先輩のことをいいなと思ってるやつはいくらでも居た。
それくらいに素敵な人だ。
そして、いつも一緒にいる彩の変化にも気づいた。
[ねえ、もしかして翔のこと好きなの?]
「は!?な、何言ってんの、佐々木、」
[図星?]
「っ佐々木さ~!ほんとそういうとこ!」
俺って察するの得意なのかな?
明らかに動揺するから苦笑い。
でもまあ、翔もきっと…なんて。
それから、彩の相談に乗るようになった。