貴方の彼女になれますか

先輩たちは秋で引退。その前の夏、お決まりのサークル合宿で、少しだけ踏み出してみた。

隣に居た彩が、その隣に来た翔と飲み始めたから、何となくその場を抜けてみた。
そしたら外に先輩がいたから。

[せんぱーーーい!]

声量は、夜に合わせて少し控えて。

〈あ!佐々木くん!〉
[はは、酔ってます?]
〈んー、ちょっと飲みすぎたかなあ?〉

へらっと笑った先輩。
部屋着の少し広めに開いたデコルテが綺麗で眩しくも感じた。
普段は巻かれてる髪も、ストレートに下ろされて。
メイクもしてないのかな?女の子の詳しいことはわからないや。

[水とか飲みます?]
〈あー、飲みたいかも、〉
[待っててください!]

少し走って、自分の部屋から水のペットボトルを掴んで戻る。俺のだけど、いいかな?

[あの、俺のなんすけど]
〈え、いいの?(笑)〉
[俺は、別に、]
〈はは、ありがと〉

気にすることもなく、半分くらい残ったペットボトルを傾けた。
ドキドキしてるのは、俺の方だけ。
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