貴方の彼女になれますか
[…やっぱり、言いたいから言うんすけど、]
〈…言わなくてもいいよ〉
[言います]
〈そっか〉
顔は見なかった。独り言のように、海に向かって。
[先輩のこと、好きです!]
〈ありがとう〉
[だから、寂しいっす、やっぱり]
〈、そっか〉
[先輩]
〈なに?〉
[俺のこと、嫌いすか?]
ずるい聞き方したと思う。やっと見た先輩の方。
先輩はいつもみたいに笑ってた。
〈嫌いなわけないじゃん、すきだよ〉
ああ、本当にずるい人。俺の好き、とは絶対に違うのに。
〈戻ろっか。心配されちゃうかも。〉
帰りは、その手を捕まえることは出来なかった。