貴方の彼女になれますか
『そっち歩いてんなよ、危ない』
少し遅い私を振り返ると、車道側から内側に腕をつかんで誘導する。こういうとこ、勘違いするんだよ。私にだけ?って聞いたら、また曖昧に答えるんでしょ?
「そういうの、私だけがいい」
『え?』
「…なんでもない、」
『酔ってる?』
「酔ってないよ」
ああ、今日はもう、どうだっていいや、
「…好きなんだよ、翔のこと」
やっぱり、酔ってる。
『…ごめん』
翔の声が、少し後ろから聞こえた。