出逢いがしらに恋をして
 でも、うちの本社に中途採用なんて本当に優秀なんですね、
 って言おうとしたとき、急ブレーキがかかった。

「きゃっ」

「おっと」

 よろけそうになったわたしの横に宮沢さんの腕が伸びてきて、支えてくれた。

「わっ」

 その姿勢のまま、宮沢さんは後ろの人に押されて、扉に手をついた。

 その手はわたしの顔の横。

 ふたりの距離は30㎝あるかないか。

 つ、つまり、これはいわゆる壁ドンというものでは⁈
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