出逢いがしらに恋をして
「じゃ、土曜日に連絡するよ。それまでに都合悪くなったら教えて」

「はい」

 今朝、たまたま天気予報をチェックして、本当に良かった。

 こんな役得が待っていようとは。


 そして土曜日。

 約束通り、宮沢さんからのLINEがきたときは、

 天井を突きやぶって空のかなたに飛んでいきそうなほど、気持ちが舞い上がった。

 あれからずっと、
 あの誘いはほんの社交辞令で、
 たぶん、いや、きっと実現しない、と思うようにしていた。

 そうすれば、もしダメになっても
 遠足を楽しみにし過ぎた小学生みたいに、ショックを受けないだろうから。

 逆に言えば、それぐらい、楽しみにしていた。

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