出逢いがしらに恋をして
「おはようございまーす」

 オフィスにすべりこんだのは始業時刻ぎりぎり。
 良かった。間にあった。

 あれ、なんか注目を集めてる。
 遅刻したわけでもないのに。

 いや、みんなの視線はわたしの頭を通り越して後方へ。

 なんだろうと思い、振りかえると、さっきのイケメン氏がなぜかすぐ後ろに立っていた。

 あれ、取引先の人だったのかな?

 「やあ、待ってたよ。宮沢くん。こっちへ来てくれ」と部長が声をかけた。
 「例のプロジェクトの助っ人として、今日付けで本社から出向してきた宮沢ジュリアーノくんだ。時限付だがプロジェクト・マネージャーとして在籍してもらうから」

 ってことは、取引先どころか上司じゃない!

 つまり、これから毎日、この麗しい姿を拝めるってこと⁈
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