出逢いがしらに恋をして
「えっ? わたしが、ですか?」

「そうだよ。だって、きみのアイデアでしょう。他に誰が書くの?」

「で、でも、わたし、本社に企画なんて出したことないですし。
って言うか、企画書自体、書いたことがないです」

「じゃあ、今回が初チャレンジってことで。俺もできるだけ手伝うし。
とりあえず、3日後に下書き読ませてくれるかな?
明日、会社のパソコンに資料送るから」

 宮沢さんは「お使いに行ってきてくれる」とでもいうような軽い口調で、
そんなことをのたまった。

優しい微笑みを浮かべながらも、プレッシャーとかけつつ。

「は、はい」

とわたしはつい、返事をしてしまった。
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