出逢いがしらに恋をして
「悪いけど、今日、6時半から本社で打ち合わせの予定があって、
一緒にいてあげられないんだけど」

「あっ、一人で大丈夫です。マネージャーの企画書を参考にしてやっておきます」

 宮沢さんは嬉しそうにうなずくと

「高橋さんは飲み込みが早いから助かるよ。
やっぱりあのとき、無茶ぶりしてよかった」

「えーっ。やっぱり無茶ぶりだったんですか」

 宮沢さんは目を細め、片方だけ口の端を上げて、にやっと笑った。

 なんだか、いたずらが成功した男の子みたいな顔してる。

 こんな表情もするんだ。

 なんか、可愛い。
< 51 / 99 >

この作品をシェア

pagetop