出逢いがしらに恋をして
「まあね。でも、俺が見込んだ通りっていうか、それ以上の仕事をしてくれてるよ」

 いろいろ悩んだ末に、半ば開き直って、とにかく仕事に集中することにした。

 恋愛感情は封印して、部下として宮沢さんの役に立つことだけを考えることにした。

 そう考えはじめたら、企画を練ること自体が楽しくなってきた。

 とにかく、いい企画にしよう。

 今はそれだけを考えていた。

「明日までに完成するように頑張ります」

 そのとき、向こうの席から「マネージャー、電話でーす」と声がかかった。

「じゃあ、よろしくね」と、慌ただしく席に戻っていった。
 
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