出逢いがしらに恋をして
 でも、わたしにとってかけがえのない時間だ。

 あと2週間あまり。

 プレゼンが終わってしまえば、もう宮沢さんとこうして過ごす機会も無くなる。

「もう一度、やってみます」

「あっと、その前に、あのさ……」

「はい?」

「昨日……」

 宮沢さんが何か言いかけたとき、ノックの音がした。

「宮沢マネージャー、いらっしゃいますか」

 あっ、亜矢美さん……。

 どうぞ、と宮沢さんが声をかけた。
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