出逢いがしらに恋をして
「高橋……ひよりさん。可愛い名前だね。よろしく」

 少しすると、宮沢さんは軽やかな足取りでわたしのデスクに近づいてきた。

 わー、瞳の色もきれい。

 明るいブラウンだけれど、光線の加減か、緑味がかってる。

 それに睫毛、長っ。

 「ん? 顔に何かついてる?」

 見つめすぎちゃった。まずい。

 「い、いいえ。よろしくお願いします」

 「こちらこそ」

 「じゃ、じゃあ、ざっとご案内しますね」

 そういって、わたしは椅子から立ち上がった。

 視線が痛い。
 そりゃわたしだって、他の人が彼と一緒に歩いていたら、絶対羨ましいって思う。

 なるべく離れて歩こう。その方が身のためだ。
 
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