出逢いがしらに恋をして
 わたしは深呼吸をひとつして、マイクのスイッチを入れた。

「では、始めたいと思います。お手元の資料の1ページ目をご覧ください」

 なんとか掠れ声にならずに、第一声を発することができた。

 カサカサとページをめくる音がひと段落したところで、話し始めた。

 その後は無我夢中で、これまで何度も練習を重ねてきた言葉を紡いでいった。
 
一番不安だった質疑応答も無事終わり、約30分後、ようやくプレゼンは終了した。


 終わった……
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