出逢いがしらに恋をして
 ありえない……

 最初に頭に浮かんできたのは、その言葉。

 自分でも不思議だけど。

 だって、ずっと思い続けてきた人に告白されたんだから。

 それより嬉しいことなんて、この世に存在しないはずなのに。

「プレゼンが終わるまで我慢してたんだ。きみを惑わせたくなくて。
でも、ずっとこうしたかった。きみが可愛くてたまらないんだ」

 彼は腕に力を込めた。

「はじめてエレベーターで会った日から、きみのことが気になって仕方がなかった。
息をはずませて駆け込んできたきみは、
まるで部屋に迷い込んできた小鳥みたいに愛らしくて……」

「でも……」

 でも、マネージャーには亜矢美さんが……

 だから、今まで好きっていう気持ちを一生懸命抑えてきたのに。
 
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