出逢いがしらに恋をして
 食事もワインも美味しくて、最高に幸せな気分になった。

 もちろん、目の前に宮沢さんが居ることがその気持ちに拍車をかけていたけど。

「やっとこうして、ゆっくり食事ができた。
きみが食べている姿、本当に好きだな。幸せな気分にさせてくれる」

 テーブルの上のキャンドルの明かりに照らされて、彼の瞳が揺らめいて見える。

 あんまりまっすぐに見つめてくるので、恥ずかしくなって下を向いた。

「そうやってじっと見ていたら、食べられない……です」

「そんな可愛い顔で可愛いことを言われたら……」

 宮沢さんは小声でささやいた。

「料理よりきみを食べたくなる」

 うわっ。

 ……顔から火を吹くかと思った。
 
 そうだ。彼、半分イタリアンだった……

 本物のイタリア人がそんなこと言うのか、しらないけど。
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