出逢いがしらに恋をして
食事が終わり、デザートを待っているあいだに、宮沢さんは亜矢美さんの話を始めた。
「確かに、鈴木常務は俺と彼女を結婚させようとしてたよ。
お見合いめいたこともさせられた。
でも、彼女、実はお父さんに内緒で付き合っている人がいたんだ」
「そうだったんですか」
「相手は幼なじみのミュージシャン。
なにせ大企業の重役の家庭だろ。
父親に絶対反対されると思って言えなかったんだって。
それで、亜矢美さんに相談されて、三人で、常務を説得に行ったんだ。
まあ、なかなか承知してくれなかったけどね。最終的には折れてくれたみたいだよ」
「じゃあ、わたし、勝手に片思いだって、思いこんでたんですね」
「そういうこと。俺も坂上くんときみのことを疑ってたんだから、人のこと言えないけど。
でも、言っただろ、最初の日に。俺たちには『縁があるんだって』」
そう言って、彼はにっこり微笑んだ。
「確かに、鈴木常務は俺と彼女を結婚させようとしてたよ。
お見合いめいたこともさせられた。
でも、彼女、実はお父さんに内緒で付き合っている人がいたんだ」
「そうだったんですか」
「相手は幼なじみのミュージシャン。
なにせ大企業の重役の家庭だろ。
父親に絶対反対されると思って言えなかったんだって。
それで、亜矢美さんに相談されて、三人で、常務を説得に行ったんだ。
まあ、なかなか承知してくれなかったけどね。最終的には折れてくれたみたいだよ」
「じゃあ、わたし、勝手に片思いだって、思いこんでたんですね」
「そういうこと。俺も坂上くんときみのことを疑ってたんだから、人のこと言えないけど。
でも、言っただろ、最初の日に。俺たちには『縁があるんだって』」
そう言って、彼はにっこり微笑んだ。