俺の。
毎日
「まーな〜!かえろー。」
そういって勢いよく近づいてきたのは、彼氏の雅。
中学からの付き合いの雅に告白されたのはつい三ヶ月前。
長年の付き合いからか、新鮮さはあまりないかな。
「うん。どこか寄ろ♪」
「おっけー!」
みんなにばいばいして、教室をでようとした。
「おいおいおいっ!俺の居残り課題やらすに帰るたあ、いい度胸してんなあ」
急に現れたのは、田辺 陸先生。
彼はご近所さんで、幼なじみ。昔は、陸ちゃんなんて呼んで懐いてた。実は今でも心の中では陸ちゃんだ。
これは、私だけのヒミツ。
でも、今年からうちの学年もちの数学の先生。
見た目、体育の先生……。
って!
そんな場合じゃなくて…
「た、田辺センセ?眉間にシワがよってるよ…?」
怖いです…。
「ああっ!?おまえがよせてんだろーが。さっさと準備して総合ルームこい」
総合ルームとは、いろいろな事に使われる部屋。
たいていが居残りに使わされる。
…はあ。陸ちゃんは私の知っている中で一番怖い。逆らったらどうなるかを私は知っている。
「雅…そういう事でごめん」
「まなのバカ〜!まあ、居残り頑張れよっ♪」
「うん、ありがと」
「ん、じゃあな」
そういって帰っていく雅の後ろ姿は、中学の時とは違いガッチリしていて、ちょっとときめいてしまう。
「おい、さっさと準備しろ」
はあ…。
厳しいんだから。
「もう…。わかったよ…」