俺の。
あのぉ〜…。
だからぁ〜…。

「イヤ、雅は物じゃないんですけどぉ〜…。」

……。

「てめっ!!!!」

ヤバイって思った時にはもう遅くて、バシッて卑劣な音を出して叩かれた私。


イヤ、まじで…。

「あんま調子のんなって」

ギロッと睨むと、急の変貌に怯むファン'S。

「は、はあ?調子のってんのはどっちだよ!」

あんたらだよ…。
せっかく我慢してたのに!


「はあ…。さっさとどっか行って頂かないと、私何するか分からないですよ。」

そう睨み、10、9、と数えていくと、3秒くらいの時には走りさっていった。
"覚えとけよ"っと言葉を残して。


……。
こんなのは雅と付き合い始めてからの日常茶飯事。


でも、少女漫画みたいな、可憐なヒロインみたく、か弱くない私。

そんな私だから、毎日来てたイビリーズも週一になり月一になり…と、だんだん減っていった。


雅のファンは多すぎる…。
なんか、なんか、なんか!

「疲れたー…。」


「何に?」

不意に後ろからかけられた声の持ち主は、雅。

雅のファンの相手だよ!って言いたいのをこらえて、何も、とだけ答えた。

言ったらきっと雅は傷付くから。
そんな、優しい雅だから、私はこのことを雅に言えない。
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