レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
この男は幼い頃から,こういうヤツだとデニスはよぉーく知っている。けれど,というかだからこそ,ここで疑問が湧き上がる。
「だったらお前,どうしてリディアに自分の想い伝えねえんだよ?お前の気持ち,アイツも知ってるぜ?」
「……!?姫様も,ご存じなのか……」
痛いところを突かれたジョンが,「参りました」という顔で夜空を仰いだ。
「……今日の昼間,姫様が海賊と戦うことになった時にさ」
「……ん?」
「俺はあの時,姫様とお前との信頼関係っていうか,強い『絆』みたいなものを感じたんだ。それが,二人が想いを通じ合わせた結果なんだ,って分かった時,もう俺にはここに入り込む隙はないんだと思った」
そこまで言ってしまうと,ジョンは再びデニスに視線を戻した。
「だったらお前,どうしてリディアに自分の想い伝えねえんだよ?お前の気持ち,アイツも知ってるぜ?」
「……!?姫様も,ご存じなのか……」
痛いところを突かれたジョンが,「参りました」という顔で夜空を仰いだ。
「……今日の昼間,姫様が海賊と戦うことになった時にさ」
「……ん?」
「俺はあの時,姫様とお前との信頼関係っていうか,強い『絆』みたいなものを感じたんだ。それが,二人が想いを通じ合わせた結果なんだ,って分かった時,もう俺にはここに入り込む隙はないんだと思った」
そこまで言ってしまうと,ジョンは再びデニスに視線を戻した。