レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
「あなたは充分,その資格をお持ちのはずですわ」
「……本当に,私にその資格があるとお思いですか?」
カルロスが,声を震わせながらリディアに訊ねた。
「えっ?それは,どういう……」
彼に問われた意味が分からず,今度はリディアが戸惑う番だった。
「私は,あなたほど強くありません。伯父を恐れているから,両親亡き後は伯父の言いなりになるしかなかった。こんな弱い私に,国王になる資格があるのでしょうか?」
リディアは先ほどまでの険しい表情を少し和らげ,カルロスにこんな話をする。
「わたしだって,最初から強かったわけではありませんわ。生まれついての皇位継承者ではありますけれど,昔は弱かったのです。わたしが強くなれたのは,この国や国民や,大切な人を守りたいという強い想いがあったからですわ」
「……本当に,私にその資格があるとお思いですか?」
カルロスが,声を震わせながらリディアに訊ねた。
「えっ?それは,どういう……」
彼に問われた意味が分からず,今度はリディアが戸惑う番だった。
「私は,あなたほど強くありません。伯父を恐れているから,両親亡き後は伯父の言いなりになるしかなかった。こんな弱い私に,国王になる資格があるのでしょうか?」
リディアは先ほどまでの険しい表情を少し和らげ,カルロスにこんな話をする。
「わたしだって,最初から強かったわけではありませんわ。生まれついての皇位継承者ではありますけれど,昔は弱かったのです。わたしが強くなれたのは,この国や国民や,大切な人を守りたいという強い想いがあったからですわ」