レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
「リディア!よかった,気がついたか」
「……デニス?」
まだボーッとする意識のまま,彼女の目に映ったのは愛しい人の顔だった。
そして,もう少し意識がはっきりしてくると,自分の周りに視線を巡らす。
見慣れた部屋の天井に,肌触りのいい寝具の感触。それに,デニスの手には水で濡らしたタオル。服も寝間着に変わっている。
どうやらここは寝室のベッドの上で,自分はいつの間にやら外からここへ運ばれてきて寝かされていたらしい,とリディアには分かった。そして,意識が戻る前に感じた冷たい感触は,デニスが濡らしたタオルを自分の額に当ててくれていた感触だということも。
窓の外はもう真っ暗で,下弦の月が浮かんでいる。
「……デニス,お水ちょうだい」
ベッドサイドに置かれた水差しを見て,リディアは喉の渇きを訴えた。そういえば,昼食後はずっと飲まず食わずだったのだ。
「ああ,水な。――起きられるか?」
「ええ,大丈夫」
「……デニス?」
まだボーッとする意識のまま,彼女の目に映ったのは愛しい人の顔だった。
そして,もう少し意識がはっきりしてくると,自分の周りに視線を巡らす。
見慣れた部屋の天井に,肌触りのいい寝具の感触。それに,デニスの手には水で濡らしたタオル。服も寝間着に変わっている。
どうやらここは寝室のベッドの上で,自分はいつの間にやら外からここへ運ばれてきて寝かされていたらしい,とリディアには分かった。そして,意識が戻る前に感じた冷たい感触は,デニスが濡らしたタオルを自分の額に当ててくれていた感触だということも。
窓の外はもう真っ暗で,下弦の月が浮かんでいる。
「……デニス,お水ちょうだい」
ベッドサイドに置かれた水差しを見て,リディアは喉の渇きを訴えた。そういえば,昼食後はずっと飲まず食わずだったのだ。
「ああ,水な。――起きられるか?」
「ええ,大丈夫」