レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
「ええ。もうすぐわたしも,ここに名前が刻まれるんだと思ったら,何だか嬉しくて」
答えるリディアの声が弾んでいる。何たって,彼女は一月後に,八〇年ぶりとなる女性皇帝になるのだ。歴史に名を残す瞬間が近づいていると思うと,そりゃあワクワクするだろう。
「昨夜の約束,一月後には果たせるんだな」
リディアが即位する時には,夫として側にいてずっと支えていく。デニスが彼女と交わした約束も,間もなく果たされるのだ。
「ええ。それまではお互いに忙しくなるから初夜はお預け,ってことでしょう?」
「ああ,まあな」
リディアの解釈に,デニスは曖昧に頷く。
「――ところでさ,リディア。夕方,広場でジョンと二人で話してしてたんだって?一体どんな話してたんだ?」
唐突に,彼は話題を変えた。
「えっ,どうして知ってるの?」
答えるリディアの声が弾んでいる。何たって,彼女は一月後に,八〇年ぶりとなる女性皇帝になるのだ。歴史に名を残す瞬間が近づいていると思うと,そりゃあワクワクするだろう。
「昨夜の約束,一月後には果たせるんだな」
リディアが即位する時には,夫として側にいてずっと支えていく。デニスが彼女と交わした約束も,間もなく果たされるのだ。
「ええ。それまではお互いに忙しくなるから初夜はお預け,ってことでしょう?」
「ああ,まあな」
リディアの解釈に,デニスは曖昧に頷く。
「――ところでさ,リディア。夕方,広場でジョンと二人で話してしてたんだって?一体どんな話してたんだ?」
唐突に,彼は話題を変えた。
「えっ,どうして知ってるの?」