レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
満面の笑みで答えるエマは,恋が実った喜びで満ち溢れている。それは結婚したばかりのリディアが見ても,眩しいくらいだった。
「おいジョン。いいのかよ,リディアのこと諦めちまって?」
男同士では,また違う会話がされていた。
「いいんだ。俺はとっくに,リディア様のことは諦めてるから」
平然と言ってのけるジョン。彼の言い分はもっともだ。ここで「まだ諦めていない」と言えば,デニスから彼女を寝取るという意味になってしまう。
「エマに申し訳なくてな。身近に俺のことをずっと想ってくれてる女性がいるのに,俺は彼女のことを見ようとしなかったから」
「それって……同情か?」
彼女が可哀相だから交際を申し込んだのかと,デニスは片眉を上げた。
「違うよ。俺は改めて,エマの大切さに気づいたんだよ。だから彼女との将来を考え始めたんだ」
「そっか。エマを幸せにしてやれよ!じゃないと,オレはともかくリディアが許さないからな!」
デニスがジョンの背中をバシッと叩き,叩かれたジョンも顔をしかめながらも力強く頷いた。
「おいジョン。いいのかよ,リディアのこと諦めちまって?」
男同士では,また違う会話がされていた。
「いいんだ。俺はとっくに,リディア様のことは諦めてるから」
平然と言ってのけるジョン。彼の言い分はもっともだ。ここで「まだ諦めていない」と言えば,デニスから彼女を寝取るという意味になってしまう。
「エマに申し訳なくてな。身近に俺のことをずっと想ってくれてる女性がいるのに,俺は彼女のことを見ようとしなかったから」
「それって……同情か?」
彼女が可哀相だから交際を申し込んだのかと,デニスは片眉を上げた。
「違うよ。俺は改めて,エマの大切さに気づいたんだよ。だから彼女との将来を考え始めたんだ」
「そっか。エマを幸せにしてやれよ!じゃないと,オレはともかくリディアが許さないからな!」
デニスがジョンの背中をバシッと叩き,叩かれたジョンも顔をしかめながらも力強く頷いた。