レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
「じゃあ,本当にいいんだな?」
「もちろんよ!女に二言はないわ」
実にリディアらしい言い方で,夫の気持ちに応える。そして,彼女はデニスと口づけを交わし,彼に身を委ねた。
愛する人と一つになれる喜びと,それに伴う初めての痛みが,彼女を支配した。
――この初夜から一〇ヶ月後,夫婦の間には一人の皇子が誕生した。いずれ皇位を継ぐであろうこの皇子()を,リディアは亡き弟の生まれ変わりかもしれないと思い,彼をジョルジュと名付けて大事に育てた。
リディア皇帝とデニスの夫婦は生涯において,二人の皇子に恵まれた。
そして,リディアの子々(しし)孫々(そんそん)まで,エルヴァ―ト一族が治めるこのレーセル帝国は,その後五〇〇年に渡り栄えたという――。

                       ……めでたし めでたし。
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