レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
「そういうことですか……」
――丘を下りきってしばらく歩くと,シェスタの賑やかな町に入った。水平線に沈みかけた夕日が,港を薄紫色やオレンジ色に染めている。
「さて,まずは宿を見つけないとな。――おいジョン。オレが戻るまで,ここでリディアと一緒に待っててくれ」
デニスがやたら張り切って,この旅を仕切り始めた。
「どうしてあなたが残らないの?」
「そうだよ。宿なら,俺が見つけてくるから……」
リディアとジョンが抗議するが,デニスはあっけらかんと言ってのける。
「いや,お前が残った方がいいんだって。お前の方がデカいし迫力あるし,威嚇になるからさ」
「「はあ!?」」
彼の言葉に,リディアとジョンの二人は面食らった。リディアは心の中でツッコむ。
(一体,何に対しての威嚇よ)
……ああ,そうか。この町とプレナは,船での行き来ができるのだ。万が一,プレナの荒くれ者達がここに渡って来た場合のことを考えて,デニスはああ言ったのだろう。
――丘を下りきってしばらく歩くと,シェスタの賑やかな町に入った。水平線に沈みかけた夕日が,港を薄紫色やオレンジ色に染めている。
「さて,まずは宿を見つけないとな。――おいジョン。オレが戻るまで,ここでリディアと一緒に待っててくれ」
デニスがやたら張り切って,この旅を仕切り始めた。
「どうしてあなたが残らないの?」
「そうだよ。宿なら,俺が見つけてくるから……」
リディアとジョンが抗議するが,デニスはあっけらかんと言ってのける。
「いや,お前が残った方がいいんだって。お前の方がデカいし迫力あるし,威嚇になるからさ」
「「はあ!?」」
彼の言葉に,リディアとジョンの二人は面食らった。リディアは心の中でツッコむ。
(一体,何に対しての威嚇よ)
……ああ,そうか。この町とプレナは,船での行き来ができるのだ。万が一,プレナの荒くれ者達がここに渡って来た場合のことを考えて,デニスはああ言ったのだろう。