レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
「――ねえ。デニスも将来,お父様みたいに帝国兵になるの?」
侍女に持って来させた紅茶を飲みながら,リディアはデニスに問う。
二年前に剣術を習い始めてから,彼の体つきは少しガッシリしてきたように見える。まだ十二歳なのでそれほどでもないが,あと五~六年もしたら屈強な兵士にもなれそうだ。
「ああ。さすがに,父さんみたいなバリバリの軍人にはならないけど。お前をすぐ側で守りたいから,近衛兵に志願したいと思ってるんだ」
まだ声変わりしきっていない声で,彼は答えた。
「近衛兵……,ね。いいんじゃない?わたしも,あなたが守ってくれるなら頼もしい」
リディアは目を細める。何より,大切な人が自分のすぐ側にいてくれるのが嬉しくて。
「でも,お前はオレに守られる必要ないかもな」
「ちょっと!それ,どういう意味よ!?」
デニスの軽口に,リディアは眉を跳ね上げた。
侍女に持って来させた紅茶を飲みながら,リディアはデニスに問う。
二年前に剣術を習い始めてから,彼の体つきは少しガッシリしてきたように見える。まだ十二歳なのでそれほどでもないが,あと五~六年もしたら屈強な兵士にもなれそうだ。
「ああ。さすがに,父さんみたいなバリバリの軍人にはならないけど。お前をすぐ側で守りたいから,近衛兵に志願したいと思ってるんだ」
まだ声変わりしきっていない声で,彼は答えた。
「近衛兵……,ね。いいんじゃない?わたしも,あなたが守ってくれるなら頼もしい」
リディアは目を細める。何より,大切な人が自分のすぐ側にいてくれるのが嬉しくて。
「でも,お前はオレに守られる必要ないかもな」
「ちょっと!それ,どういう意味よ!?」
デニスの軽口に,リディアは眉を跳ね上げた。