レーセル帝国物語 皇女リディアはタメグチ近衛兵に恋しています。
「本当よ!――言っておくけど,部屋に戻ってから,わたしのいないところでデニスに訊いてもムダだから!」
リディアはジョンに釘を刺した。こと,すっとぼけることに関しては天才のデニスだ。ジョンにどれだけ問い詰められても,うっかり口を滑らせることはないだろう。
「分かってます,リディア様。――では,おやすみなさいませ」
「ええ,おやすみなさい」
二階に上がり,向かい合わせのドアを開けながら,リディアと男二人はこの夜二度目の就寝の挨拶を交わして別れた。
もう一度寝間着に着替えたリディアは,束ねていた長い髪をほどき,髪留めをベッドのサイドボードに置いてベッドに潜り込み,目を閉じる。
先ほど浜辺で起きたことは,現実だったのかしら?夢だったら,明日の朝には全て消えてしまうの――?
リディアはジョンに釘を刺した。こと,すっとぼけることに関しては天才のデニスだ。ジョンにどれだけ問い詰められても,うっかり口を滑らせることはないだろう。
「分かってます,リディア様。――では,おやすみなさいませ」
「ええ,おやすみなさい」
二階に上がり,向かい合わせのドアを開けながら,リディアと男二人はこの夜二度目の就寝の挨拶を交わして別れた。
もう一度寝間着に着替えたリディアは,束ねていた長い髪をほどき,髪留めをベッドのサイドボードに置いてベッドに潜り込み,目を閉じる。
先ほど浜辺で起きたことは,現実だったのかしら?夢だったら,明日の朝には全て消えてしまうの――?