俺様専務に目をつけられました。
彼女に会ってから数日後の週末、久々に実家に呼ばれた。
「お前ももう秋には三十になる。結婚はもう少し先だとしても婚約者くらいはいないとな。」
何の用かと思えば縁談の話か。
「俺はまだ結婚するつもり無いけど?」
「お前の女性関係の噂もチラホラ聞くしな。もうそろそろ一人に決めたらどうだ。」
確かに一人決まった相手がいるわけではないが、後々面倒事にならない相手かちゃんと気を付けて遊んでいる。
「とりあえず、この三人の中から会う相手を選べ。一人に絞らず全員と会ってから誰にするか決めてもいい。もし誰とも合いそうにないと思ったら断ってもいい。向こうがお前を気に入ったとかで申し込んできた話だから。
「会うのは決定事項?」
そんなやり取りを親父としていると爺さんが話に割り込んできた。
「享祐は乗り気じゃなさそうじゃな。どうだ、その三人が嫌なら茂ちゃんの孫娘なんて。」
「父さん、茂ちゃんってあの?」
「そうじゃ。この間ランチをした時に偶然会ってな、ええ子やったぞ。小さくて可愛らしくて。享祐、お前知らんか?総務課の三栗晴香ちゃん。」
爺さんの話を聞いて直ぐにあのエレベーターで会った子を思い出した。そう言えば俺にお礼を言った彼女の事を男性社員が追いかけてきて『みくり』と呼んだような気がするな。
「父さん、茂ちゃんの孫ってうちで働いてるのか?まさか縁故採用したんじゃないよな。」
「しとらん!わしも茂ちゃんもうちで働いとるって知らんかった。」
爺さんと親父が話す横で俺は考えた。
見合いして結婚するにしても、仕事で疲れていてもご機嫌伺いをしないといけないようなお嬢様とはごめんだな。
「爺ちゃん、その茂ちゃんの孫娘の話はちょっと待ってくれるか?社員ならどんな子かちゃんと見極めてから動かないと面倒事になっても困る。それと親父、そのお嬢様三人は断ってくれ。どうせどっかで俺を見かけて見た目と地位だけで言い寄ってきたやつだろ?そんな奴と一生を共にするのは御免だ。」
俺はこの時、三栗晴香は親父からの縁談話を断るのにちょうどいい、しかも彼女の事があるからと次の縁談話を持ってこさせない時間稼ぎになるとしか思っていなかった。
「お前ももう秋には三十になる。結婚はもう少し先だとしても婚約者くらいはいないとな。」
何の用かと思えば縁談の話か。
「俺はまだ結婚するつもり無いけど?」
「お前の女性関係の噂もチラホラ聞くしな。もうそろそろ一人に決めたらどうだ。」
確かに一人決まった相手がいるわけではないが、後々面倒事にならない相手かちゃんと気を付けて遊んでいる。
「とりあえず、この三人の中から会う相手を選べ。一人に絞らず全員と会ってから誰にするか決めてもいい。もし誰とも合いそうにないと思ったら断ってもいい。向こうがお前を気に入ったとかで申し込んできた話だから。
「会うのは決定事項?」
そんなやり取りを親父としていると爺さんが話に割り込んできた。
「享祐は乗り気じゃなさそうじゃな。どうだ、その三人が嫌なら茂ちゃんの孫娘なんて。」
「父さん、茂ちゃんってあの?」
「そうじゃ。この間ランチをした時に偶然会ってな、ええ子やったぞ。小さくて可愛らしくて。享祐、お前知らんか?総務課の三栗晴香ちゃん。」
爺さんの話を聞いて直ぐにあのエレベーターで会った子を思い出した。そう言えば俺にお礼を言った彼女の事を男性社員が追いかけてきて『みくり』と呼んだような気がするな。
「父さん、茂ちゃんの孫ってうちで働いてるのか?まさか縁故採用したんじゃないよな。」
「しとらん!わしも茂ちゃんもうちで働いとるって知らんかった。」
爺さんと親父が話す横で俺は考えた。
見合いして結婚するにしても、仕事で疲れていてもご機嫌伺いをしないといけないようなお嬢様とはごめんだな。
「爺ちゃん、その茂ちゃんの孫娘の話はちょっと待ってくれるか?社員ならどんな子かちゃんと見極めてから動かないと面倒事になっても困る。それと親父、そのお嬢様三人は断ってくれ。どうせどっかで俺を見かけて見た目と地位だけで言い寄ってきたやつだろ?そんな奴と一生を共にするのは御免だ。」
俺はこの時、三栗晴香は親父からの縁談話を断るのにちょうどいい、しかも彼女の事があるからと次の縁談話を持ってこさせない時間稼ぎになるとしか思っていなかった。