俺様専務に目をつけられました。
8.
~享祐side~
親父からの見合い話を断るため、爺さんからの提案の方を受け入れた。直ぐにでも話を進めようとする爺さんを『社員ならなおさら慎重に話は進めないと。』と三栗晴香をとりあえず見ると提案してから数週間、普通に過ごしていたら専務の俺と総務課の一社員の彼女と会うはずもなく何も変わらない毎日が続いていた。
しかしある木曜日の朝、海外事業部のアシスタントが同時に四人も食中毒で欠勤すると連絡が入った。今は新しい事業が始まったばかりだと言うのに、アシスタントとは言え自覚の無さにうんざりする。一人や二人の穴埋めなら何とかなりそうだが四人となると助っ人を入れないとダメだろう。
国内営業部とは違い海外からの連絡も多い、書類も英語で書かれている物も多くある。誰でも出来るわけじゃない。高杉が佐伯を助っ人に出すと言っていたが、もう一人は誰が来るのか尋ねると総務課の三栗晴香に頼んだと言う。まだ入社して数か月の新人に行かせていいのか?思わぬところで彼女の名前が出て驚いた。
爺さんに見極めると言ったまま何の進展も見せない様子に気づいた親父がまた動き出したようで、昨日社長室でチラッと見合い写真らしきものが見えた。少しは動いているところを見せるのにちょうどいいと思い、俺も海外事業部へ行き三栗晴香の様子を見てみる事にした。
海外事業部のドアを開けるとちょうど彼女も来たとこらしい。
「お前、海外事業部の助っ人できんのか?」
後ろから声をかけると俺がいる事に気づきえらく驚いていた。
田上部長と三十分くらい話をして部長室を出て彼女の方を見ると、隣に座る飯田には笑顔で話しかけていた。俺には『はい』や『ありがとございます』と単語を無表情で答えるだけのくせに、何だか腹が立つ。
親父からの見合い話を断るため、爺さんからの提案の方を受け入れた。直ぐにでも話を進めようとする爺さんを『社員ならなおさら慎重に話は進めないと。』と三栗晴香をとりあえず見ると提案してから数週間、普通に過ごしていたら専務の俺と総務課の一社員の彼女と会うはずもなく何も変わらない毎日が続いていた。
しかしある木曜日の朝、海外事業部のアシスタントが同時に四人も食中毒で欠勤すると連絡が入った。今は新しい事業が始まったばかりだと言うのに、アシスタントとは言え自覚の無さにうんざりする。一人や二人の穴埋めなら何とかなりそうだが四人となると助っ人を入れないとダメだろう。
国内営業部とは違い海外からの連絡も多い、書類も英語で書かれている物も多くある。誰でも出来るわけじゃない。高杉が佐伯を助っ人に出すと言っていたが、もう一人は誰が来るのか尋ねると総務課の三栗晴香に頼んだと言う。まだ入社して数か月の新人に行かせていいのか?思わぬところで彼女の名前が出て驚いた。
爺さんに見極めると言ったまま何の進展も見せない様子に気づいた親父がまた動き出したようで、昨日社長室でチラッと見合い写真らしきものが見えた。少しは動いているところを見せるのにちょうどいいと思い、俺も海外事業部へ行き三栗晴香の様子を見てみる事にした。
海外事業部のドアを開けるとちょうど彼女も来たとこらしい。
「お前、海外事業部の助っ人できんのか?」
後ろから声をかけると俺がいる事に気づきえらく驚いていた。
田上部長と三十分くらい話をして部長室を出て彼女の方を見ると、隣に座る飯田には笑顔で話しかけていた。俺には『はい』や『ありがとございます』と単語を無表情で答えるだけのくせに、何だか腹が立つ。