俺様専務に目をつけられました。

3.

入社して早くも一か月、言われた仕事をこなす日々が続いている。
私が最初に受けた印象『何でも屋』はあながち間違いではないと思う。社員の労務関係、会議室の手配、物品管理にビル内のメンテナンス業者の手配などに加え他部署からの応援要請で書類作成や会社説明会などに借りだされることもあるらしい。


「晴香ー、お待たせ。」

明日からゴールデンウィーク、今日は久しぶりに瑠奈と食事に行く約束をしていた。

「よっ、久しぶり。三栗、俺らも一緒にいい？」

瑠奈の後ろから営業に配属された同期が揃って立っている。女二人で気兼ねなく飲もうと思っていた私の顔が少し引きつったのを見た瑠奈がみんなに見えないように手を合わせ『ごめん』と言っていた。

「もちろん！」

彼らを前にして『ムリ―』って言える人がいたら会ってみたい。返事を聞いたと同時に『じゃあ店は〇〇でいいか！』と言いながらスタスタと歩き出した。

「ごめんね。帰ろうとしたら声かけられて、晴香と食事に行くからって言ったら同期会しようって言いだして。」

瑠奈が眉を下げ謝っているが、瑠奈もあの勢いで来られては断り切れなかったんだろう。

「瑠奈のせいじゃないし。でも同期会って他にもくんの？」

「うーん、みんなに声かけてたけど急だからね。でも何人かは来るみたい。」

そっか、他にも来るのか。瑠奈以外の同期とはあまり接点無いし、大丈夫かな私・・・。
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