俺様専務に目をつけられました。
私の手を引き船を降り車に戻った。運転席に乗り込んですぐ何処かに電話を入れ食事の注文をする専務。レストランにでも予約を入れたんだろうか、電話を切ると直ぐに車は走り出した。
会話もないまま暫く走っていると見慣れた街中を通っていた。

「享くん、どこ行くんですか?ここって会社の近くですよね?」

「俺んち。」

「ふへっ?」

驚きで変な声が出た。

「この後もずっと一緒にいてくれんねんやろ?」

「えっ、あっ・・・はい。」

この後もずっと一緒に・・・ってそう言う意味だったのか。ここまでくれば経験のない私でもそれが何を意味するのか分かった。
船上でのキスを思い出しまた体中が熱くなる。

「晴香、真っ赤。かわいっ。」

信号で止まった隙に手を伸ばし頭を抱え込まれたと思ったら、また唇を塞がれた。

「んっ・・・、きょ、んっ・・・。」

唇が離れても恥ずかしさで顔を上げれない。
だって前後や隣に停まっていた車の人達にも見られてた。
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