俺様専務に目をつけられました。
プロって凄い。と感心していると『これで二人だけでゆっくり出来るな。』と超がつくほどの笑顔の専務。改めて二人っきりになると緊張する。

なんか話題、話題・・・。

「あの、享くん。やっぱり誕生日プレゼント渡したいです。でも欲しいものとか好きな物、よく分からないので教えて下さい。」

「晴香。」

そうじゃなくて・・・。いや、そう答えが返ってくるような気はしてたけどね。

「ホントに晴香以外、何もいらない。」

「んー、あっ、じゃあ今度ケーキ焼いて来るので食べてくれます?」

「晴香が作るのか?」

「はい。こう見えて意外と得意ですよ、料理全般。」

「じゃあ、来週の土曜日。ケーキ持って泊まりに来て。仕事で朝から出てるけど夕方には帰るから。はい、コレ。」

立ち上がり引き出しから何かを持って来て、渡された物・・・。

「これって。」

「この家の鍵。先に来て『おかえり』って出迎えて欲しい。でっ、一緒に夕飯とケーキを食べる。それが晴香から俺への誕生日プレゼント。」

そんなもんでいいのだろうか。でも専務がそれが一番って言うなら。

「わかりました。じゃあ来週は私が夕飯も準備しますね。なに、んっ。」

話の途中で、また唇を塞がれた。やっと解放され余韻でボーッとしていると体がフワッ浮いた。専務は私を抱えたままドアを器用に開け廊下を進んで行く。



この先は、たぶん専務の寝室・・・。
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