俺様専務に目をつけられました。
「あっ、あの。外泊するって連絡入れなきゃ。」

「もう言ってある。」

「へっ?」

「ご両親からの外泊許可は取ってある。」

えーっ!何で当人の私が当日まで外泊予定を知らないのに親が知ってんのよ!

てか、お母さんのここ数日の機嫌のよさはそう言う事か!

「他に質問は?」

「・・・ないです。」

とすっつと降ろされたのは専務のベッドの上。すごく広い、私のベッドの二倍はあるのではなかろうか。ふと今までドキドキと緊張で考えもしなかったことが気になりだした。


この部屋にもこのベッドにも今まで何人の女性が使って来たんだろう・・・。


そう一度思うと何とも言えない感情が湧いてきた。他の人が寝たかもしれないベッドは嫌だ。

「どうした?」

私の様子の変化にいち早く気づく専務、心配そうに顔を覗き込んできた。

「あの、この部屋に・・・・、やっぱりいいです。帰ります。」

そう言いベッドから降りようと体を起こすと腕を引かれベッドに組み敷かれた。

「帰すわけないだろ。何が不安なんだ。」

怒りと熱が同時に帯びた専務の目は私を帰さない、離さないと語っていた。


「この部屋に来たことがあるのって私だけですか?」

「いや。」

やっぱり・・・。

「他の女性が使ったベッドにいたくない。」

涙をこらえ震える声で答えると専務は一瞬目を見開き驚いたようだったが直ぐに嬉しそうにほほ笑み『嫉妬か』そう言い唇を重ねた。しかも今までとは違い、唇をこじ開けられ専務の舌が私の口内をかき回す。

「んっ、ん。」

初めてのことなのに気持ちよくって体から力が抜けていく。
ようやく離された唇。

「この部屋に来たことがあるのは、晴香ともう一人、圭吾だけだ。ずっと実家暮らしだったが一年前にここに越してきた。いままで付き合いのあった女性は確かにいたが実家にも家にも連れて行ったことはない。だからこのベッドも俺以外では晴香が初めてだ。安心したか?」

コクリと頷くと優しく額にキスを落とし『もう待ったなし。』と私の服はスルスルと剥がされていった。
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