俺様専務に目をつけられました。
夜、父が仕事から帰って来るのを待って両親とおじいちゃんに妊娠の事実を話した。
話を聞いたおじいちゃんは大いに喜んだが、その後に続く私の話を聞き悲しみ俯いてしまった。

「晴ちゃんごめんな。じいちゃんが会わせたりせんかったら、こんな事にならんかったのに・・・。」

両親も怒りと悲しみ、いろんな感情が湧いてきているのが見ていても分かった。
暫く誰も言葉を発する事はなかったが、父が決意したように語りだした。

「晴香が産みたいなら産みなさい。サポートはちゃんとみんなでするから。きょ、東郷さんの事も分かった。」

「晴香、あんた貧血酷いんでしょ?仕事も暫く休みなさい。うーん、どうせあそこで働き続けれないだろうし辞めなさい。とりあえず明日から暫く休むって連絡入れて。」

「ありがとう。」

その後の家族会議で次の診察までの間、おじいちゃんの家がある田舎へ行きゆっくりすることにした。



【今日、家族に話したよ。赤ちゃんは産む事にした。でも専務には何も言わない。実はずっと連絡も無いの。だから瑠奈も黙っていてね。それと明日から会社も休んでおじいちゃんの田舎に行くことにしたから、向こうで暫くのんびりするよ。】

瑠奈にメッセージを送り、田舎へ行くための荷物を造り始めた。
翌朝、上司に体調不良のため暫く休むと連絡し、母が運転する車で田舎へ向かった。
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