俺様専務に目をつけられました。
お開きの時間になり来賓客を入口で見送った後撤収作業をしていると佐伯親子がやって来た。
「享祐君、どう言う事かね?」
名前で呼ばれこめかみがピクピクする。この親にして・・・だな。
「佐伯社長、本日はご出席いただきありがとうございました。」
「享祐さん。」
悲しそうな顔をしているがお前にそんな顔をする資格なんてないと言ってやりたい。
「佐伯さん、今日はずっと私の事を名前で呼ばれてますが、私はあなたの上司ですよね?」
「享祐君!娘に、婚約者に向かってなんて事を言うんだ!」
はあ、面倒くさい。親父も俺の事を認めたなら自分で蒔いた種はちゃんと回収してほしい。
「私が佐伯さんの婚約者?ありえませんね。確かに社長からそのような話は聞きましたが、即答でお断りさせて頂きました。だって私にはすでに可愛い婚約者がいますから。会長の紹介で去年の夏に出会ってからずっとお付き合いしてる。」
「じゃ、じゃあ君は彼女がいながら実里にも手を出したのか!」
俺が不実だなんて噂を流されてはたまらない。今周りには社員はもちろん来賓の方々も少し残っているしな。一気に決着付けとくか。
「おかしいですね。私は佐伯さんとは社で仕事の話しかした事がありませんが。」
「クリスマスにプレゼントだって渡してたじゃないか!」
「ああ、噂になってたネックレス。あれ、私じゃないですよ。実際、買ったのはピアスですし。確かに最初はネックレスを選んでたんですが、会計時に彼女がネックレスはつけない事を思い出して変更したんですよ。変更前の様子を誰かが見てたんでしょうね。」
「実里が嘘をついたと?」
「それにおかしいと思いませんか?大々的に婚約を発表するとしたら、発表前に両家の顔合わせはしてるはずでしょう。それもせず、いきなり発表なんてありえないでしょう。」
「なっ、それは君が忙しいから・・・。」
まだ食い下がるのか。ここまで来たら佐伯物産も終わりだな。今後、どのような噂がたつのかも考えが及ばないとは・・・。
「わざと噂がたつような振る舞いをし、挙句の果てには俺の知らない所で彼女を呼び出し婚約者は自分だから別れろと言ったらしいな。彼女は体調を崩し、悩んだ末俺の足を引っ張るのは嫌だと俺の前から姿を消そうとまでしたんだぞ。」
佐伯の目をしっかりと捕らえたままそう語ると、やっと俺の怒りを感じ取ったのか佐伯は青ざめその場にへたり込んでだ。佐伯社長は驚き娘を見ている。娘に甘い社長は娘からの話を完全に信じ切ってきたのだろう。
「佐伯社長、お分かりいただけましたか?そんな嘘をばらまき、自分のためなら人を悲しませることを何とも思わない者を婚約者に選ぶわけないですよね?」
佐伯社長は下唇をかみしめ『帰るぞ』と娘を引きずるように帰って行った。
ふう、終わった。これで明日、晴香を迎えに行ける。
「享祐君、どう言う事かね?」
名前で呼ばれこめかみがピクピクする。この親にして・・・だな。
「佐伯社長、本日はご出席いただきありがとうございました。」
「享祐さん。」
悲しそうな顔をしているがお前にそんな顔をする資格なんてないと言ってやりたい。
「佐伯さん、今日はずっと私の事を名前で呼ばれてますが、私はあなたの上司ですよね?」
「享祐君!娘に、婚約者に向かってなんて事を言うんだ!」
はあ、面倒くさい。親父も俺の事を認めたなら自分で蒔いた種はちゃんと回収してほしい。
「私が佐伯さんの婚約者?ありえませんね。確かに社長からそのような話は聞きましたが、即答でお断りさせて頂きました。だって私にはすでに可愛い婚約者がいますから。会長の紹介で去年の夏に出会ってからずっとお付き合いしてる。」
「じゃ、じゃあ君は彼女がいながら実里にも手を出したのか!」
俺が不実だなんて噂を流されてはたまらない。今周りには社員はもちろん来賓の方々も少し残っているしな。一気に決着付けとくか。
「おかしいですね。私は佐伯さんとは社で仕事の話しかした事がありませんが。」
「クリスマスにプレゼントだって渡してたじゃないか!」
「ああ、噂になってたネックレス。あれ、私じゃないですよ。実際、買ったのはピアスですし。確かに最初はネックレスを選んでたんですが、会計時に彼女がネックレスはつけない事を思い出して変更したんですよ。変更前の様子を誰かが見てたんでしょうね。」
「実里が嘘をついたと?」
「それにおかしいと思いませんか?大々的に婚約を発表するとしたら、発表前に両家の顔合わせはしてるはずでしょう。それもせず、いきなり発表なんてありえないでしょう。」
「なっ、それは君が忙しいから・・・。」
まだ食い下がるのか。ここまで来たら佐伯物産も終わりだな。今後、どのような噂がたつのかも考えが及ばないとは・・・。
「わざと噂がたつような振る舞いをし、挙句の果てには俺の知らない所で彼女を呼び出し婚約者は自分だから別れろと言ったらしいな。彼女は体調を崩し、悩んだ末俺の足を引っ張るのは嫌だと俺の前から姿を消そうとまでしたんだぞ。」
佐伯の目をしっかりと捕らえたままそう語ると、やっと俺の怒りを感じ取ったのか佐伯は青ざめその場にへたり込んでだ。佐伯社長は驚き娘を見ている。娘に甘い社長は娘からの話を完全に信じ切ってきたのだろう。
「佐伯社長、お分かりいただけましたか?そんな嘘をばらまき、自分のためなら人を悲しませることを何とも思わない者を婚約者に選ぶわけないですよね?」
佐伯社長は下唇をかみしめ『帰るぞ』と娘を引きずるように帰って行った。
ふう、終わった。これで明日、晴香を迎えに行ける。