俺様専務に目をつけられました。
そうそう結婚式は私が妊婦、そして専務の希望により家族、親戚と友人のみのシンプルなものになった。仕事関係の方々には全員とは言えないが夏に開かれたパーティー等に同伴し挨拶を済ませた。

その場にも今までは出席していた佐伯社長は見かけず不思議に思っていたら、あの東郷のパーティー後に詰め寄り、逆に断罪されたのを見ていた取引先から信用を失い、今は大変な状況になっているとか。





月日は流れ予定日もあと少しとなった十月三十一日の明け方、私はお腹に痛みを感じ目を覚ました。

「ん?どうした?」

私がトイレに行こうとベッドを降りたところで享くんが目を覚ました。

「ちょっとお腹が痛いのでトイレに行こうかと。」

「それって、陣痛じゃないのか?」

へっ?陣痛?・・・・確かにまだわずかな痛みではあるが十五分から二十分おきくらいに痛みは起きている。

トイレに行ってはみたが出るものも出る様子がない。結局、二人して目が覚めてしまい起きる事にした。六時過ぎかー、朝食にはまだ早いな。着替えをし二人でソファーに座ってテレビを見ていた。


うーん、痛みもちょっと強くなってきた?間隔も十五分、やっぱり陣痛かな。
とりあえず七時になったし朝食を作ろう。


けっこう呑気にかまえ朝食を食べ、片づけをしていると急に強い痛みが走った。

ガシャン!

痛みで手に持っていた食器を落としてしまった。音に気がつきキッチンへ駆けつけた享くんが私の様子を見て驚いている。

「晴香!大丈夫か!」

「うん、やっぱり陣痛みたい。急に痛みがきつくなってきた。あっ、また。いたた・・・。」

時計を見ると間隔が痛みが強くなったと同時に十分を切っていた。

「病院に電話してみる。私のスマホ持ってきて。」
< 89 / 91 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop