夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
「どうしたんだね、マオ君。早く飲みなさい。
みんな、君の感想も楽しみにしているんだよ?」
「っ……、はい。頂きます」
ハンク様に促されて、僕は覚悟を決めた。
僕はミネアさんの代わりに、義理の息子として役に立たなくてはいけない。
僕がもっともっと役に立てる存在になれば、きっとハンク様はまたミネアさんに優しくしてくれる。産まれてくる子供の事も、可愛いと感じてくれるかも知れない。
考えた末、それが今の僕に出来る事だった。
だっていくら"何故?"と疑問に感じても、僕には答えが出ないんだ。
この人が嫌い、とか。この人が憎い、とか……。
そう感じられたら楽なのかも知れないのに、やっぱり"愛してほしい"って、僕は願ってしまうんだ。
自分がそう思うのをやめたら、諦めた瞬間に全部全部砕け散ってしまう気がして……。みんなが仲良く出来る為のキッカケの欠片を自分が集めて、奇跡という形に出来たらな、って思ってた。
みんなが微笑える、明るい未来の為に……。
ただ、それだけの為に。そう信じて、いた。