夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
すると、少し躊躇しながらもお祖父様は頷いて書類を受け取る。
「……。
分かった、一度考えさせてくれ。
子供達も……。ヒナタとヒカルも、了解していると取って良いのだな?」
「っ……」
しかし、その直後にお祖父様から痛い質問。
私は一瞬言葉を詰まらせるが、黙っている訳にもいかず答えた。
「その件に関して、お祖父様にお願いがあります。
……どうか、ヒナタとヒカルの面倒をこちらでみて頂けませんか?」
「!……な、なんだとッ?」
私の言葉に、お祖父様は血相を変えて声を上げた。
そして視線をアラン様に移すと、キッと怒りを露わにして睨み付ける。
「貴様ッ!アカリと子供達を引き離す気かッ……?!」
「違うのお祖父様ッ!!
これはっ……、これは私と子供達の問題なの……ッ」
アラン様が"連れ子とは暮らせない"と言ったのだと勘違いしたお祖父様を宥めて、私は話す事にした。
私は母親失格かも知れない。
けれど、私がこの決断をしたのにもちゃんと理由がある……。