夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
ならばその運命を私が受け入れたら、全てが丸く収まるーー?
もう、そう信じるしかなかった。
私の大好きな人が、幸せになれるように……。
「ーーうん。準備、お願いするわ」
心を決めて、私はそう言うとスズカの方に振り向いて微笑った。
……でもね。
運命は、私が思っているものとは別のものに変わっていた。
ヴァロンが今までたくさんの人を助けて築いてきた人徳と、どんな事があっても手放さなかった美しい心。
そして、彼をそんな風に導いた彼の父親の強い優しさが、この運命を……変えていた。
ピコーン!ピコーン!
それはまさに、スズカが私の言葉に「承知致しました」と返事をしかけた瞬間だった。
私のポケ電にメッセージが受信された音が鳴る。
「あ、ごめん。電源切ってなかった。
すぐに切る……、……っ?!」
「すぐに切るね」と、言いかけて、私の言葉は止まった。
ポケ電の画面に表示された文字に目も心も釘付けになって、動けない。