夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】

「箱の中身は、恥ずかしいから勘弁して?
その代わり、とっておきの秘密教えてやるから」

まるで子供を納得させるみたいに、そう言った。
今思えば、彼のこの行動はわたくしの気持ちに気付いていたから……。

"ごめんね、箱の中身(俺の気持ち)はあげられない。その代わり、とっておきの秘密教えてやるから(君に嘘はつかないよ)"ーー。

そう、言っていたのね?


「……箱の中身のが気になるわ」

「いや、コレを聞いたらお前絶対に食い付くぞ!」

「絶対?」

「ああ。……この本はな、俺の父さんが書いた本なんだ」

「!……リオン様の?!」

でも、こんな時でも貴方は優しくわたくしの気を逸らしてくれた。
自然に興味を本に引き付けてくれて、わたくしから醜い感情が飛び出さないように接してくれた。

リオン様が書かれた本。
その衝撃にすっかり心を奪われたわたくしは、この時ただただ無邪気に、夢中になっていた。
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