夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
「アカリ様!大丈夫ですかっ?」
ヴァロンからのメッセージに力が抜けて、崩れるように床に座り込みながら涙を流す私に、スズカが心配して駆け寄ってくる。
私は、酷い女だ。
この涙に"罪悪感"というものはこの時一瞬、全く含まれてなかったのだから……。
今日ここに来るまでに決めた覚悟や、色んな人の気持ち。全部、全部あっと言う間に打ち砕かれてしまって……。
ただ、嬉しくて。ただただ、待ちに待った愛おしい彼からの言葉に幸せが溢れて、それ以外の感情なんて浮かんで来なかった。
逢いたい!
締め付けられて痛い程の心の叫びに、涙が止まらずに溢れてくる。
そんな私の様子を見てただ事ではないと思ったに違いない。スズカは近くに両膝を着いて肩を支えてくれると、床に転がったポケ電に視線を移した。
そして……。
「……。
アカリ様。私に、お手伝いをさせて下さい」
「!っ……、スズ……カ?」
その言葉にようやくハッする。
ボヤける視界にスズカを映すと、彼女はとても優しい表情で微笑っていた。
……
…………。