夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
「じゃあ、オレは戻る。
ゆっくり出来なくてすまないな、御社の用事も色々あって……。近いうちにまたお邪魔するとアルバート様に伝えてくれ」
「はい。
今日は新年の忙しい時にありがとうございました。どうぞ気を付けておかえり下さい」
新年の挨拶と結婚の許しを得る為に訪れたアルバート様の本邸から帰るオレを、車を待たせている門までアカリ様が見送ってくれる。
その表情は、とてもこれから結婚を考えている女性にさせるべきではない表情で、寂しげで固い。
彼女が無理をしているのは一目瞭然だった。
それでも……。
必ずオレが護ってやるのだと決めたのだ。
それは、あの日。12月24日の事だ。