夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
***
ーーしかし。
アカリ様が再び愛おしい人と一緒になれるよう私達が動いている裏側で、それを阻止しようとする者も、動いていた。
3月3日。
結婚式場、親族控室ーシャルマの部屋ー。
「……そうか。彼奴はミネア嬢から抜け出してしまったか」
ヴァロン様の動きを部下に観察させていたシャルマ様は、その報告をすでに受けてしまっていた。
ポケ電を切り、胸ポケットにしまうと大きな窓から外を見つめながら側に居たディアス様に告げる。
「……ディアス、殺せ」
「……」
「アカリ様を、殺せ」
自らが持つ恐ろしい能力、spellbindで縛ったディアス様に、そう命じていた。
「彼奴は簡単には殺さん。愛おしい女の命を奪い、死よりも辛い苦しみを与えてやる……!」
ついに、この物語の決戦の時。
運命の神が決めた未来が、今明らかになろうとしていた。
ーーしかし。
アカリ様が再び愛おしい人と一緒になれるよう私達が動いている裏側で、それを阻止しようとする者も、動いていた。
3月3日。
結婚式場、親族控室ーシャルマの部屋ー。
「……そうか。彼奴はミネア嬢から抜け出してしまったか」
ヴァロン様の動きを部下に観察させていたシャルマ様は、その報告をすでに受けてしまっていた。
ポケ電を切り、胸ポケットにしまうと大きな窓から外を見つめながら側に居たディアス様に告げる。
「……ディアス、殺せ」
「……」
「アカリ様を、殺せ」
自らが持つ恐ろしい能力、spellbindで縛ったディアス様に、そう命じていた。
「彼奴は簡単には殺さん。愛おしい女の命を奪い、死よりも辛い苦しみを与えてやる……!」
ついに、この物語の決戦の時。
運命の神が決めた未来が、今明らかになろうとしていた。