夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】

他の者など、どうでも良かった。
私の唯一の息子、リオンだけは失いたくなった。
だから、自分の出来る最大限を与えてやろうと思った。
安定した生活に、仕事、将来。
私の妻とは違う、リオンだけを一途に愛してくれる許嫁。

それなのに……。

『父さん、僕は……作家になりたいんだ!!』

ーー何故だ?

『リリカは幼馴染だよっ?
僕は、結婚する相手は自分で選びたいッ……!!』

何故、そんな事を言うのだ?
私は私に与えられる全てをやって、お前を幸せにしてやろうとしているのに……。何故、分からないのだ!!

……
…………。

そして、家を……。私の元を飛び出したリオンは、アンナ(あの女)と出逢い、不幸になった。
私の愛する息子は、悪い魔女の毒牙にかかってしまった。

救わなくてはならない。
私が、息子(リオン)を助けてやらなくてはーー!!

迎えに行って、もう一度話したら、リオンはようやく納得して、私の後を継ぎ、私の決めた許嫁と結婚した。
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