夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
誠に愛し合う二人を、魅せつけられたーー。
やはり、黙っている訳にはいかない。
このままでいい筈がない!
そう思ったオレは、アカリ様の肩を掴んで身体を離すと"真実"を話す事を決めた。
けれど……。
「聞け、アカリ様。
これは違うんだ!兄上は……」
「ーーやめてッ!!」
オレの言葉を遮って、アカリ様はそれを拒絶した。
「っ……いいのッ。分かってるから……」
「!……え?」
「分かってるから……。もう何も言わないで?」
そう言って、微かに涙目でオレを見上げる。
「分かってるよ。
私は、これでも彼の奥さんだったんだよ?何かを隠してる事も、それが誰かの為だって事も……分かってる」
「っ……」
分かっているならどうしてーー?!
そう叫びたいのに、悲しいのに涙を流さず微笑むアカリ様を前にしたら、言葉が出てこなかった。
そんなオレに、彼女は言葉を続ける。
まるで"私達の事に、もう何も言わないで?"と釘を刺すように……。