夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
***
そして、オレ達は一緒になる事を決めた。
跡継ぎ争いの件で傾きかけている彼女の祖父の会社を支えてやる、と……。
互いの利益の為だ、と持ちかけて……。
仕事に戻る別れ際。
きっと普通の恋人や婚約者ならば、口付けるのだろう。
「……アカリ様」
「!っ……」
だが。オレの手が頬に触れれば、アカリ様はビクッとして更に表情を強張らせる。
オレが彼女にしてやれる事は少ない。だから、オレも彼女に大きな事は望まない。
オレの望みは、君らしく居てほしいーー。
ただ、それだけだ。
「そんな面で見るな、ブス」
「!っ……なっ!」
オレが手を添えていた頬に指を立て、そのままむぎゅっと摘むとアカリ様はムッとした表情で見上げてくる。
「どうせブスですよ!
さっさとお綺麗な令嬢様達に新年のご挨拶に行ってこればいいじゃない!」
オレの手を払い除け、そう言い返してくる強気な態度。
笑顔にしてやる事は出来ないが、先程の沈んだ表情よりはずっと良い。
そして、オレ達は一緒になる事を決めた。
跡継ぎ争いの件で傾きかけている彼女の祖父の会社を支えてやる、と……。
互いの利益の為だ、と持ちかけて……。
仕事に戻る別れ際。
きっと普通の恋人や婚約者ならば、口付けるのだろう。
「……アカリ様」
「!っ……」
だが。オレの手が頬に触れれば、アカリ様はビクッとして更に表情を強張らせる。
オレが彼女にしてやれる事は少ない。だから、オレも彼女に大きな事は望まない。
オレの望みは、君らしく居てほしいーー。
ただ、それだけだ。
「そんな面で見るな、ブス」
「!っ……なっ!」
オレが手を添えていた頬に指を立て、そのままむぎゅっと摘むとアカリ様はムッとした表情で見上げてくる。
「どうせブスですよ!
さっさとお綺麗な令嬢様達に新年のご挨拶に行ってこればいいじゃない!」
オレの手を払い除け、そう言い返してくる強気な態度。
笑顔にしてやる事は出来ないが、先程の沈んだ表情よりはずっと良い。