夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
父を殺した私の兄と、リオを迎えに来た人物が、同一人物であるという事ーーー。
最愛の男性の父親が、私の兄?
それはつまり、リオと私は血縁関係ー甥っ子と叔母ーにあるという事実だった。
まさかの事実に、夢の中である筈なのにリアルに膝から崩れ落ち地面に座り込む。
これは偶然?
私とリオが出逢ったのは、もしかしてーー……?
嫌な想いが浮かんで、ドクンッドクンッと身体全てが心臓になったかのように震えが止まらない。
信じたくない。リオが全てを知っていた上で私に近付き、私に優しくしてくれていたなんて……。
嘘よねーー?
そう心の中で問いただした瞬間だった。
座り込んでいる私の前に誰かが歩み寄ってくる。
これはまだ夢の中?ただの幻?
見慣れた、履き潰したボロい靴にベージュのズボン。そこから視線を上げると、白いシャツに身を包んだリオが、私を見下ろしていた。
それは見慣れた彼、の筈だった。
けれど一つ違うのは、私を見つめる彼の瞳。冷めた、輝きのない瞳が私の不安を増幅させていく。