夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】

ーーーっ……あんだが、リオの代わりになれる訳ないじゃないッ!!ーーー

ーーーなんで、あんたなのよ!
あんたなんか、生まなきゃよかった……!!ーーー


大好きだった。
リオの事が、本当に本当に大好きだった。

……でも、彼はもういない。
それどころか、彼は長い間ずっと私に隠し事をしていた。
私が自分の叔母である事を知っていながら近付き、優しい言葉をかけ、抱いて、子供まで産ませた……。

何故?何故、そんな事をしたのーー?

その問いの答えは最後の夜に理由を聞けなかった以上、たった一つにしか結びつかない。
リオが兄の息子だから、彼も私の事を憎んでいて復讐しにきた。幸せの絶頂から一気に地獄へ突き落とす為にーー……。


胸が苦しくて、痛い。
だって、例えそうだとしても消えない。
リオにとって全てが計画的で偽りのものだったとしても、この愛を憎しみに変える事が私にはできなかったのだ。

何があっても決して曇る事のなかった一途な想い。

それが涙となって溢れた瞬間。
皮肉にも私の中に、父を亡くした際に一度失った一族の能力(ちから)が戻った。

過去と未来を……。人の運命を視る能力(ちから)ーー。
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