夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
自分がそう思えるようになったら、リオが何故突然私達に冷たくなり、離れていったのかも分かった。
リオにも視えたんだ。このまま一緒に居たら、私達がどんな未来を辿る事になるのか……。
だから彼は、私達の為に身を引いたのだ。
ヴァロンのお陰で、私はもう一度リオを信じられるようになったの。そしたら、私の能力はますます強力なものになっていった。
年齢を感じさせない、この頃から変わらない容姿も、おそらくその一つ。
魔女ーーー。
そう兄に言われていた事も、あながち間違ってはいないだろう。
この能力は私からしたら呪いに近いと思った。見た目が変わらないという事が永遠の命という結果に結び付くとは限らないが、この先間違いなく私を孤独へと導く事だろう……。
けれど、良い事もたくさんあったわ。
一つ目は、ヴァロンが産まれてくる以前……。前世を、知る事が出来た。
この子は前世も今と変わらず優しくて、自分の事よりも他人を大事にして、たった一人の女の子の為に自分の全てを捧げて、その生涯を終えていた。
そしてその女の子に再び巡り逢う為に、今世が過酷な人生だと知りながらも……私の元に産まれてきた。