夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】
占いの結果は、良い事と悪い事がまさに半々だった。
ヴァロンと一緒に居る女性は紛れもなく、前世でも想っていた運命の相手。無事に巡り逢う事が出来たのだ、とホッとした。
けれど、この未来で二人を待ち受ける得体の知れないドス黒い闇。簡単な占いでは全てを見透す事は出来ないが、前途多難と出ていた。
「お二人はまさに運命の相手!
どんなに困難な事があっても、その度に互いが補い支え合い、乗り越えられる理想のご夫婦ですよ」
私を見つめる女性の張り詰めた瞳を和らげてあげたくて、優しく微笑んで、思わず良い事だけを口にしてしまった。すると想いが伝わったのか女性はパァッと、同性の私でもドキッとする程の可愛い笑顔を見せて「ありがとうございました!」とお礼を言ってくれる。
が、ヴァロンは占いに使ったカードをチラッと見ると、一瞬眉間にシワを寄せていた。
この子は気付いてる。
……いや。今気付いたのではなく、すでに以前から心の何処かで自分に迫っている闇を察していたのだ。